虚呂路
虚呂路
やたらと自己分析に耽っていた頃。
今にして思えば、あれは『分析』と同時に『構築』でもあり、きっとあれこそが己の酷く短い思春期だったのだと気付いた今日この頃。
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私は朝日新聞を拝読しているのだが、先日、連載小説の「七夜物語」が終了した。
2人の子どもが7つの不思議な夜の世界を冒険するストーリーである。
冒険といってもいわゆる児童文学の向きであって、ライトノベル的なものではない。
そもそも新聞の連載小説だから勘違いする人はいないと思うが。
子どもの目線から、ゆっくりと588日に渡って綴られたささやかな物語。
さよと灰田くんは、奇妙な夜の住人たちとの関わりの中で少しずつ成長していった。
大人に教わるだけの子どもではなく、自分たちで知恵を絞って答えを探すようになった。
子どもたちは、ただ守られて甘えるような存在ではなかった。
ちゃんと自分たちで物事を考える力を持っていて、疑問や悩みも持っている。
ただ、それに答えを出す必要や、自力で考える必要がなかっただけなのかもしれない。
夜の世界の冒険は、2人に自立して考える機会を与えることになった。
夜の冒険を重ねることで得た精神的な成長は、現実世界にフィードバックされた。
夜の世界の冒険は完全な成功とはいかなかったが、
そもそもの前提として、完全な成功などというものは存在しなかったように思う。
あらゆることにおいて完全に正しい答えなど存在しないのだから。
彼らなりに試行錯誤して答えを見出そうとした過程こそが重要であり、
その真摯に考える姿勢に純真な心が寄り添っていたからこそ、
消えた夜の世界に代わる暁の狭間の世界の誕生に繋がったといえるのだろうか。
正直、この物語に込められた意味や思想などを読み取れた自信はない。
夜の住人たちの意義深い台詞や、子どもたちの言動の端々から、
断片的に物語の意図を拾うことはできるが、冒険の終幕が示唆するところについては、
思いをめぐらしても曖昧で雲を掴むように考えがまとまらない。
女性作家の物語を詠んだときには、こういうままならない感慨を覚えることが多い。
それは私が男性だからなのだろうか?
それとも、私が若すぎるからなのだろうか?
物語の形式はオーソドックスな古典的作品に通ずるものがあるように思う。
子どもだけの状況下で、試行錯誤と失敗を積み重ねながら成長を遂げていく物語。
そのうち、自分が大人になったと実感した時。
現在とは異なる視点で、このような物語を読み返してみたいとなんとなく思う。
答えと同様に、物語から読み取れるものも唯一無二ではない。
本日からは「空中ブランコ」などで知られる直木賞作家。
奥田英朗氏による群像小説「沈黙の町で」の連載が開始された。
社会問題を内包するハードな内容となりそうだ。毎日楽しみにするとしよう。
2人の子どもが7つの不思議な夜の世界を冒険するストーリーである。
冒険といってもいわゆる児童文学の向きであって、ライトノベル的なものではない。
そもそも新聞の連載小説だから勘違いする人はいないと思うが。
子どもの目線から、ゆっくりと588日に渡って綴られたささやかな物語。
さよと灰田くんは、奇妙な夜の住人たちとの関わりの中で少しずつ成長していった。
大人に教わるだけの子どもではなく、自分たちで知恵を絞って答えを探すようになった。
子どもたちは、ただ守られて甘えるような存在ではなかった。
ちゃんと自分たちで物事を考える力を持っていて、疑問や悩みも持っている。
ただ、それに答えを出す必要や、自力で考える必要がなかっただけなのかもしれない。
夜の世界の冒険は、2人に自立して考える機会を与えることになった。
夜の冒険を重ねることで得た精神的な成長は、現実世界にフィードバックされた。
夜の世界の冒険は完全な成功とはいかなかったが、
そもそもの前提として、完全な成功などというものは存在しなかったように思う。
あらゆることにおいて完全に正しい答えなど存在しないのだから。
彼らなりに試行錯誤して答えを見出そうとした過程こそが重要であり、
その真摯に考える姿勢に純真な心が寄り添っていたからこそ、
消えた夜の世界に代わる暁の狭間の世界の誕生に繋がったといえるのだろうか。
正直、この物語に込められた意味や思想などを読み取れた自信はない。
夜の住人たちの意義深い台詞や、子どもたちの言動の端々から、
断片的に物語の意図を拾うことはできるが、冒険の終幕が示唆するところについては、
思いをめぐらしても曖昧で雲を掴むように考えがまとまらない。
女性作家の物語を詠んだときには、こういうままならない感慨を覚えることが多い。
それは私が男性だからなのだろうか?
それとも、私が若すぎるからなのだろうか?
物語の形式はオーソドックスな古典的作品に通ずるものがあるように思う。
子どもだけの状況下で、試行錯誤と失敗を積み重ねながら成長を遂げていく物語。
そのうち、自分が大人になったと実感した時。
現在とは異なる視点で、このような物語を読み返してみたいとなんとなく思う。
答えと同様に、物語から読み取れるものも唯一無二ではない。
本日からは「空中ブランコ」などで知られる直木賞作家。
奥田英朗氏による群像小説「沈黙の町で」の連載が開始された。
社会問題を内包するハードな内容となりそうだ。毎日楽しみにするとしよう。
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・サブカルチャー全般が好き
・王道は避け気味
・古武術歴17年だが激弱
・猫は正義
メール:
greed0106★yahoo.co.jp
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