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虚呂路

虚呂路

                          やたらと自己分析に耽っていた頃。 今にして思えば、あれは『分析』と同時に『構築』でもあり、きっとあれこそが己の酷く短い思春期だったのだと気付いた今日この頃。
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d3f54fa1.jpg 富士見ファンタジア文庫の作品にして、
 第17回ファンタジア大賞の佳作受賞作。
 著者は大楽絢太氏。イラストレーターは今野隼史氏。
 その名の通り七人の武器屋が活躍する作品だ。
 ちなみに一軒の武器屋に7人のオーナーという意味で、
 武器屋が7軒ではない(どうでもいいわ)。

 舞台は最強の生物ドラゴンが闊歩する世界。
 フランという街で奇跡の水「アモスの水」と偽って、
 水道水を売る詐欺を友人ジャンと共に働く少年。マーガス。
 物語は彼の一人称で進められる。

 内容は――ある日、いつものようにドラゴンキラー(竜退治の専門職)相手に
 水を売りつけた帰り道のことである。学校を卒業してからというもの、
 周りの友人達は次々と自分の道を見つけていくというのに、
 自分はこんな詐欺をしながらダラダラと過ごし続けていて良いのだろうか?
 自分の人生、これで大丈夫なのだろうか? と彼は思い悩んでいた。
 だが、やりたいことも目標も見つけることが出来ない。
 一体どうすればいいのか。そんなときにふと、あるチラシが彼の目に入る。
 それは武器屋新オーナー募集の貼り紙であった。
 『やりたいことが、見つからない。得意なことも、見つからない。
 夢中になること、もっとない。本当の自分がワカラナイ――。
 そんな悩める若人に、素敵な素敵なお話です』

 まさに、今の自分を指す言葉であった。
 心惹かれるようにマーガスはジャンを連れて、
 古ぼけた武器屋「エクス・ガリバー」に足を運ぶ。
 ――といった感じに話は始まる。

 この物語の一番の魅力は、
 おそらく読み手をガンガンと引き込んでいくノリとテンションの高さだろう。
 なんと言うべきか、ひたすらにやたらと熱い青春物語なのだ。
 正直、ところどころのパクリネタ
 (2巻登場のホリィ・ライブウィンドウや、4巻の舞台である天下一武器屋祭)や、
 設定の一部には突っ込みどころ満載なのだが、
 巻末の解説にもあるように「楽しい」というのは間違いない。
 実を言えば、自分は担当絵師である今野氏のファンであり、
 それ目当てで買ったようなものだったが、この作品はお薦めできる。
 読んだ後に、爽快で心躍るような心持ちになれるはずだ。

 現在は4巻まで刊行中。年末には5巻が出るだろう。
 著者曰く物語も佳境に入ったらしいが、全編通しての目的があるわけではない。
 (ある意味それぞれの未来を見つけることが最終到達点なのかもしれないが)
 よってどのようになるか予測は付かない。これからの展開が楽しみだ。

 絵師:今野隼史氏のHP 
http://www2.chokai.ne.jp/~frontier/index.html
 RPGツクールに関わるものなら知っているであろう、
 かの「アルファナッツ」のイラストレーターである。
 「ハッピーラッキーエントランス」という小説、イラスト、ゲーム。
 さらにはネットラジオも配信している恐るべき投稿コーナーが存在。
 少々分かりにくい場所にあるが、一見の価値あり。

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