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虚呂路

虚呂路

                          やたらと自己分析に耽っていた頃。 今にして思えば、あれは『分析』と同時に『構築』でもあり、きっとあれこそが己の酷く短い思春期だったのだと気付いた今日この頃。
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早いもので2013年も末となり、通常勤務も明日で終わって仕事納めも目前である。
年を経るごとに季節感に疎くなっているようで、感慨らしい感慨も無く、
連綿と連なる普段通りの乾いた日常の一幕としか思えないのは少々虚しい気もする。

せめてもの抵抗として、世間一般の季節に相応しい行動をなぞってみても、
たいした効果は認められず、己が現実から乖離している浮遊感を覚えるばかりである。
聖夜を彩るイルミネーションと音楽は異質なノイズであり不可解ですらあった。

結局、クリスマスは例年に倣って「Merry Christmas Mr.Lawrence」を聴きながら、
TRPGのキャラクターを作成するという時間を過ごした。
この曲はまだ大丈夫だ。かつての己が心を震わせていた感覚を想起させてくれる。
聖夜に浮かれたいわけではないが、こういう時節における特有の感覚は忘れたくないのだ。

もっとも身近な非日常に対する憧憬を失えば、現実に期待するべき物は残らない。
心は夢想と共にあれど、現実に生きる者である以上、此方側にも希望が必要となるから。
此岸に意識を繋ぎ止めるために、この感覚を磨り減らすわけにはいかない。


暫く前の話になるが、今野さんの個展に行って来た。
驚くべきことに、今回は展示している原画の一部を販売するという話であった。
カラーイラストともなれば六桁を数える程で易々と手を出せるような価格ではなかったが、
一点モノである以上は妥当な設定だし、実際に原画を見れば納得せざるを得ない。
熱心な愛好家にとってはこれでも安価ですらあるかもしれない。

かくいう私もそのように感じた口であり、元より売約する覚悟で個展に向かったのである。
安月給ながらモノクロイラストならば五桁だし無理なく売約できるだろうと。
そういう腹積もりで訪れたわけだが駄目だった。何が駄目だったかってカラーが駄目だ。

以前も個展で拝見したが、やはりPCのディスプレイで見るのとはまるで違う。
発色の鮮やかさ、目が醒める様なコントラスト、塗り重ねられた絵の具の立体感……。
当然といえば当然だが臨場感も迫力も段違いの一言に尽きるというものだ。
完全にやられた。もちろん細部まで描き込まれた緻密な筆跡のモノクロ画も良いが、
どうしてもカラーイラストが欲しい……と、悩み続けること小一時間。

自分が来場した時点で、五桁台の比較的安価なカラー原画は既に売約済みであった。
あとは六桁台で10万程度の幅はあれど無茶な買い物なのはどれも変わりない。
それなら、価格は気にせず一番好きな原画を買うのが最も良い選択だろうと考えた。
むしろそういう選び方をしないのは作者に失礼だろうとも思った。
そうして私は過去の原画展で魅入られた「シンメトリカルゲイザー」の売約に至った。
最高価格が設定されている内の一枚で貯金には大打撃だったが満足感しかない。

シンメトリカルゲイザーはデジタル版と原画の違いが如実に表われている一枚であり、
過去の個展でも原画で見てもらいたいと積極的に展示されていた作品である。
原画の質感を可能な限り再現した高精細なポスターも過去に作成され、
自分もそれを持っているのだが……やはり違うのだ。どうしても本物が欲しかった。
よもや本当に手にする日が来るなどとは夢にも思ってなかったのだけど。
ああ、なんか、もう、お嫁さんを貰ったような感すらある。

前述の理由から多くの人の目に触れて欲しいと展示されていた作品であるため、
これを売約して個人のものとするのは無粋であるようにも思ったのだが、
やはり、うん、売約して本当に良かったと思う。

蛇足だが、受け渡しは個展最終日の閉会後から一週間以内と説明されたので、
最終日の撤収作業の最中に受け取りに向かったのだが何故か困惑されてちょっと焦った。
どうも作品の受け渡しタイミングに関して今野さんやイベントスタッフの間で、
いまひとつコンセンサスが取れてなかったらしい。
今野さん側は閉会後の撤収時に、スタッフは翌日以降に受け渡しを想定していたようだ。
物販の際に補充の不手際があったというし、注意して尚も同じミスをしたとも聞く。
うーん、pixiv Zingaroはちょっといい加減な感じなのか……?

ちなみに受け渡し準備中に今野さん夫妻とお話させていただいた際に聞いたのだが、
どうやら個展の収益は動物保護関係に寄付されるつもりらしい。
私も同行した友人も密かに衝撃を受けた。やっぱりスゲェな今野さんって……。

それと、それらしきツイートをされているのを見かけたので明かすけれども、
今野さんはオンラインで原画を販売することも考えておられるらしい。
いずれはシンメトリカルゲイザー(同人誌の方)の中のイラストも販売するかも?
的なことをおっしゃっていたことを付記しておくのである。
原画は直接見てから売約した方が良いと思うけど、個展に来れない人だっているし、
実現したら良いなぁと思うわけで応援したいところなのである。
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