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虚呂路

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                          やたらと自己分析に耽っていた頃。 今にして思えば、あれは『分析』と同時に『構築』でもあり、きっとあれこそが己の酷く短い思春期だったのだと気付いた今日この頃。
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なんだかんだで臨床実習の折り返し地点が近付いてきた。
実習自体はそれなりに楽しいが、卒業研究には未だに未着手のままである。
その土台となる実習発表もあることだし、色々と練らないと修羅場を見ることになるか。

そういや、最近は読んだ本について触れていないことに気付く。
不勉強の自業自得から余裕をすり減らしているとはいえ、読んでいないわけではない。

今年に入ってから読んだライトノベルで面白かったものは、
電撃文庫の「シンフォニア・グリーン」と「最後の夏に見上げた空は」くらいか。

ちなみに両者ともに少しばかり昔の作品である。
どうやら私は本格的に最近のライトノベルに付いていけなくなっているようだ。

「シンフォニア・グリーン」は個性的でよく練られた世界観が魅力的な作品である。
文章は全体的に淡白だが、決して表現力に欠けているわけではない。
静かな描写が世界の姿と人物の心情を引き立たせている。
近年の作品に多いキャラクターの強烈な個性に頼る姿勢が見られないのもいい。
表面上の派手さではなく、純粋に物語として興味を引いていく。
どこかライトノベルらしくない趣きを持つ作品なので人を選ぶ面はあるかもしれない。
案の定というべきか、既刊二冊で沈黙したのは悲しい限りである。

「最後の夏に見上げた空は」はいわゆる『切ない恋』を描いた物語である。
理不尽な命のタイムリミットによって悲恋と運命付けられた恋心。
誤解とすれ違いを繰り返しながらも不器用に想いを重ねていく一年間の物語。
なによりも人物の心情が非常に丁寧に描かれていることを評価したい。
複雑な事情を抱えた彼らの迷いと葛藤が心を強く締め付ける。
これを書いた作者の年齢を考えると、なんかもう感服の念しか生まれない。
少女漫画的な作品ではあるが、男性諸氏にも読んで貰いたい。

せっかくなので漫画も一冊ほど紹介しよう。
「鞄図書館」はあらゆる書物を収めた不思議な喋る鞄と不老の司書の物語である。
「金魚屋古書店」で有名な書物をこよなく愛する作者らしい一冊。
世界各地で一年間の書物の貸し出しを受け付ける司書と鞄の旅路を描く短編集。
とにかく本好きなら是非とも読んで欲しい作品である。
豊富な知識に裏打ちされた書物にまつわる数々の掌編はどれも素晴らしい完成度。
その深みと奥行きは私程度の表現力を以ってしては筆舌に尽くし難い。
無論、テーマとなる作品を知らずとも間違いなく楽しめるはずだ。
これを読んで気になった作品に手を伸ばしてみるのも一興というものだろう。

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