虚呂路
虚呂路
やたらと自己分析に耽っていた頃。
今にして思えば、あれは『分析』と同時に『構築』でもあり、きっとあれこそが己の酷く短い思春期だったのだと気付いた今日この頃。
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ふと思い立ち、机の引き出しの中身を全部引っ張り出して整理した。
様々な書類を掻き分け、必要なものと必要でないものとに分類する作業。
定期テストの答案など、記憶ごと葬り去りたい過去の遺物。
大半はそんな、今となってはどうでもいい代物ばかりだったが、
取るに足らないモノクロ色の有象無象の中に、似つかわしくないものを発見した。
やけにカラフルな、便箋の束。
100円ショップなどで売られているような、ファンシーな絵柄の手紙が数十枚。
裏側に書かれた差出人を見て、ようやく思い出した。
私には小学生の頃、親友と呼び合っていた二人の少年がいた。
二人とも私より少しだけ年下だったが、趣味が合ったのか、いつも一緒だった。
毎日、登下校も、放課後も、よく遊んだものだった。
当時の私は、彼らとの友情がずっと続いていくものだと、信じて疑わなかった。
よくある話だ。子供の戯言だ。
私が小学校高学年か、中学生になったばかりの頃であったか。
彼らと知り合ってから3~4年ほどが経過した折のことだ。
1歳年下の――仮にRとしておこう――が転居する事となった。
ほんの1~2駅ほど離れる程度だったが、幼い時分には遠く感じる距離だ。
そもそも駅が遠いこともあるが、Rとこれまでのように遊ぶことは困難になった。
また、私は私立の中学校に進学したため、小6の頃は受験勉強。
中学生になってからは小学校との時間のズレにより、
二歳年下であるもう一人の友人――仮にDとしておこう――とも、
連絡を取り合う事さえ難しくなっていった。
そんな時に、私達は手紙の交換を始めたのだった。
遠方のRには普通の手紙として送り、Dにはポストに直接投函する。
時間や距離の隔たりを超えて、どうにか私達は交流を続けていた。
冒頭に発見した手紙は、そのときに彼らから受け取ったものだ。
その後にDが私と同じ中学校に進学し、この関係はまだ続くのだと思った頃もあった。
しかし、時を経るにしたがって、手紙の数は減り、やがてまったく無くなった。
その後にメールのやり取りも多少はあったが、それも今はもう無い。
Dは同じ学校とはいえ、部活で忙しく、会う暇など無かった。
Rはたまにわざわざ訪れてくれたが、時間帯が合わずに会えない方が多かった。
結果として、Dとは三年以上は直接会っていないのではないのだろうか。
もう高校を卒業するはずだが、進路がどうなったのかも分からない。
三年前に送ったメールは、返事が全く返って来なくて「迷惑なら言ってくれ」と
送っても反応が無いから、それっきり送るのは止めてしまった。
Rとも、二年近くは顔を合わせていない筈だ。
就職したというが、配属先が分かったら教えるという一年前のメールを最後に、
メルアドが変わったという事務的な連絡が一通送られてきたきりだ。
少し気になって、メールを送ってみる事にした。
よくよく考えてみると、彼らは私が携帯電話を持ってることを知らない。
ごく最近アドレスも変わったから、連絡を取ってみようか。
そう思い。PCのアドレス帳に登録されたアドレスに送ってみた。
……当然、どちらにも届く事はなかった。
Dのアドレスは三年前のものだったし、
Rのアドレスも最後のメールに書かれていたものとは変わっていた。
予想はしていた。私達を繋いでいた何かは、とっくに綻びの限界を迎えていて、
知らない間に切れてしまっていたのだ。
それを残念に思うかというと、別にそう思うわけでもない。落胆も悔恨も浮かばず、
むしろそんな自分の事を、悲しい奴だな、虚しい奴だな。と思うだけだった。
私が特別、冷たい人間だというわけではないだろう。
このような人との別れは、誰しも経験しているだろう。
だけどそんな事とは関係なく、私は私自身を冷たい奴だな、情に薄い奴だな。
他人事のように、そんな風に思った。
これは、私が無意識化において、人間というもの自体に対して、
過度な理想を抱いているということなのだろうか?
……いつの間にか、かつて大切だった人達のことを考えていたはずなのに、
自己分析に、他の考えに思考が飛んでいる自分。そのことにも、卑怯な奴だな。
そんな風に、他人事のように思う。思うだけで、その感想には自己に対する軽蔑も無い。
別段、このような、重い話題を例に挙げる必要は無く、
私はたまに、物事に対して、当事者であっても他人事のように接することがある。
そんな自分に対して様々な感想を他人事のように抱くが、
その感想にすら他人事のように感情は篭っていない。
これは一体、どういう意識が働いているのだろうか。
こういうことは、誰にでもあるものなのだろうか。たぶんあるのだろうな。
どちらにしても、答えを聞いた私の反応は予測できる。
これまでと同じように、ただ無感情に感想を抱くだけなのだろう。
そう予測する自分を、虚しい奴だな。そう思う。思うだけだけれど。
手紙たちは、また引き出しの奥にしまっておいた。
これらが私にとって必要なものかは分からないが、しまっておいた。
こんな益体の無いことにばかり思考を走らせている自分とはまるで違う、
無邪気で何も考えていなかった頃の自分。
真逆だけれど、同じように益体の欠片もなかった愚かしい昔の自分。
そんな自分自身を、それに短いながらも付き合ってくれた奇特な友人の記憶ごと、
引き出しの奥にしまっておいた。
成長に使うべきなにかを垂れ流しにして、本質的に何も変われないまま、
空っぽになるばかりの自分。それを改めて認識した日だったかもしれない。
当然そこに浮かぶのは、無感情な感想だけだった。
ただ、それだけの個人的な話。
久々に更新しておいて、のっけからこういう電波を垂れ流すのはどうなのだろう。
色々考えるけれど、自分がどんな人間なのかずっと理解しきれません。
悟れる日は来るのだろうか。来ると良い。でも、あんまり早く来るな。
終わりは見えないけど、益体も無いけれど、これはこれで楽しいのだ。
様々な書類を掻き分け、必要なものと必要でないものとに分類する作業。
定期テストの答案など、記憶ごと葬り去りたい過去の遺物。
大半はそんな、今となってはどうでもいい代物ばかりだったが、
取るに足らないモノクロ色の有象無象の中に、似つかわしくないものを発見した。
やけにカラフルな、便箋の束。
100円ショップなどで売られているような、ファンシーな絵柄の手紙が数十枚。
裏側に書かれた差出人を見て、ようやく思い出した。
私には小学生の頃、親友と呼び合っていた二人の少年がいた。
二人とも私より少しだけ年下だったが、趣味が合ったのか、いつも一緒だった。
毎日、登下校も、放課後も、よく遊んだものだった。
当時の私は、彼らとの友情がずっと続いていくものだと、信じて疑わなかった。
よくある話だ。子供の戯言だ。
私が小学校高学年か、中学生になったばかりの頃であったか。
彼らと知り合ってから3~4年ほどが経過した折のことだ。
1歳年下の――仮にRとしておこう――が転居する事となった。
ほんの1~2駅ほど離れる程度だったが、幼い時分には遠く感じる距離だ。
そもそも駅が遠いこともあるが、Rとこれまでのように遊ぶことは困難になった。
また、私は私立の中学校に進学したため、小6の頃は受験勉強。
中学生になってからは小学校との時間のズレにより、
二歳年下であるもう一人の友人――仮にDとしておこう――とも、
連絡を取り合う事さえ難しくなっていった。
そんな時に、私達は手紙の交換を始めたのだった。
遠方のRには普通の手紙として送り、Dにはポストに直接投函する。
時間や距離の隔たりを超えて、どうにか私達は交流を続けていた。
冒頭に発見した手紙は、そのときに彼らから受け取ったものだ。
その後にDが私と同じ中学校に進学し、この関係はまだ続くのだと思った頃もあった。
しかし、時を経るにしたがって、手紙の数は減り、やがてまったく無くなった。
その後にメールのやり取りも多少はあったが、それも今はもう無い。
Dは同じ学校とはいえ、部活で忙しく、会う暇など無かった。
Rはたまにわざわざ訪れてくれたが、時間帯が合わずに会えない方が多かった。
結果として、Dとは三年以上は直接会っていないのではないのだろうか。
もう高校を卒業するはずだが、進路がどうなったのかも分からない。
三年前に送ったメールは、返事が全く返って来なくて「迷惑なら言ってくれ」と
送っても反応が無いから、それっきり送るのは止めてしまった。
Rとも、二年近くは顔を合わせていない筈だ。
就職したというが、配属先が分かったら教えるという一年前のメールを最後に、
メルアドが変わったという事務的な連絡が一通送られてきたきりだ。
少し気になって、メールを送ってみる事にした。
よくよく考えてみると、彼らは私が携帯電話を持ってることを知らない。
ごく最近アドレスも変わったから、連絡を取ってみようか。
そう思い。PCのアドレス帳に登録されたアドレスに送ってみた。
……当然、どちらにも届く事はなかった。
Dのアドレスは三年前のものだったし、
Rのアドレスも最後のメールに書かれていたものとは変わっていた。
予想はしていた。私達を繋いでいた何かは、とっくに綻びの限界を迎えていて、
知らない間に切れてしまっていたのだ。
それを残念に思うかというと、別にそう思うわけでもない。落胆も悔恨も浮かばず、
むしろそんな自分の事を、悲しい奴だな、虚しい奴だな。と思うだけだった。
私が特別、冷たい人間だというわけではないだろう。
このような人との別れは、誰しも経験しているだろう。
だけどそんな事とは関係なく、私は私自身を冷たい奴だな、情に薄い奴だな。
他人事のように、そんな風に思った。
これは、私が無意識化において、人間というもの自体に対して、
過度な理想を抱いているということなのだろうか?
……いつの間にか、かつて大切だった人達のことを考えていたはずなのに、
自己分析に、他の考えに思考が飛んでいる自分。そのことにも、卑怯な奴だな。
そんな風に、他人事のように思う。思うだけで、その感想には自己に対する軽蔑も無い。
別段、このような、重い話題を例に挙げる必要は無く、
私はたまに、物事に対して、当事者であっても他人事のように接することがある。
そんな自分に対して様々な感想を他人事のように抱くが、
その感想にすら他人事のように感情は篭っていない。
これは一体、どういう意識が働いているのだろうか。
こういうことは、誰にでもあるものなのだろうか。たぶんあるのだろうな。
どちらにしても、答えを聞いた私の反応は予測できる。
これまでと同じように、ただ無感情に感想を抱くだけなのだろう。
そう予測する自分を、虚しい奴だな。そう思う。思うだけだけれど。
手紙たちは、また引き出しの奥にしまっておいた。
これらが私にとって必要なものかは分からないが、しまっておいた。
こんな益体の無いことにばかり思考を走らせている自分とはまるで違う、
無邪気で何も考えていなかった頃の自分。
真逆だけれど、同じように益体の欠片もなかった愚かしい昔の自分。
そんな自分自身を、それに短いながらも付き合ってくれた奇特な友人の記憶ごと、
引き出しの奥にしまっておいた。
成長に使うべきなにかを垂れ流しにして、本質的に何も変われないまま、
空っぽになるばかりの自分。それを改めて認識した日だったかもしれない。
当然そこに浮かぶのは、無感情な感想だけだった。
ただ、それだけの個人的な話。
久々に更新しておいて、のっけからこういう電波を垂れ流すのはどうなのだろう。
色々考えるけれど、自分がどんな人間なのかずっと理解しきれません。
悟れる日は来るのだろうか。来ると良い。でも、あんまり早く来るな。
終わりは見えないけど、益体も無いけれど、これはこれで楽しいのだ。
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無題
この頃、ぜんぜん更新していないので、どうしたのかなっと思いきや、更新してあったので、びっくりして、初コメントしちゃいました。ついでに、下記のサイトに行くと、DVDも出でいないスーパーナチュラル4の動画が見れます。よかったらどうhttp://channel.pandora.tv/channel/video.ptv?ch_userid=akurin-1&prgid=33545357&categid=31693850&page=1
根気良くチャレンジすると見れます。それじゃ、また通りすぎます。さいならっ
根気良くチャレンジすると見れます。それじゃ、また通りすぎます。さいならっ
落ち着け
一瞬スパムかと思いましたが……やっぱり貴方でしたか。
更新の方は、そんなに書きたい事が無いんですよね。
以前は考え事とか、ちょっとした事でも書いてましたけども。
最近はわざわざ書こうと思うほどの事柄がどうにも見当たらない。
でもまあ、一月に一回くらいは書くんじゃないかと思いますんで、
生死が気になったら通り過ぎてみてくださいなー。
更新の方は、そんなに書きたい事が無いんですよね。
以前は考え事とか、ちょっとした事でも書いてましたけども。
最近はわざわざ書こうと思うほどの事柄がどうにも見当たらない。
でもまあ、一月に一回くらいは書くんじゃないかと思いますんで、
生死が気になったら通り過ぎてみてくださいなー。
ちょっとタイトルだけ…… << | HOME | >> 8/1計画 |
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職業:
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読書・TRPG・古武術
自己紹介:
・趣味に頼って生きている
・活字中毒者の疑惑
・主にラノベ・ジュブナイル系
・サブカルチャー全般が好き
・王道は避け気味
・古武術歴17年だが激弱
・猫は正義
メール:
greed0106★yahoo.co.jp
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