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虚呂路

虚呂路

                          やたらと自己分析に耽っていた頃。 今にして思えば、あれは『分析』と同時に『構築』でもあり、きっとあれこそが己の酷く短い思春期だったのだと気付いた今日この頃。
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 清水義範氏の短編小説集。えーと、これは11年前に出版されたらしい。
 書評は新刊についてあれこれ言うのが一般的な気がするが、
 ……まぁ問題はあるまい。そもそも新刊ばかり読める経済状況ではないのだ。
 …………論点がずれた気もするけれど、本題に入ろうじゃないか。

 さて、それにしても何だこの奇妙なタイトルは、と思う人もいるだろう。
 少なくとも私は思った。だからこそ手に取ったのかもしれない(笑)。
 TVニュースの金庫破りなどの報道でこの単語を聞いたことはないだろうか?
 『バールのようなもので破って進入したもようです』、
 とキャスターが言ったりしているのを見たことがある筈だ。
 この短編集のタイトルにして、収録されている全12の短編の一つ、
 「バールのようなもの」とはそのキャスターが口走った「バールのようなもの」に、
 ふと疑問を覚えた男の物語だ。
 何ともまぁアホらしい展開の話だが、なかなかにシュールで面白い。
 その他の短編も類を見ない方向性のものばかりで、
 大笑いとはいかなくとも、にやりと口元が緩んでしまうだろう。
 しかし、こんなネタから話を一つ創ってしまうのだから恐れ入る。
 自分とは発想とかが根本的に違いそうだ。
 いや、私はそんなこと考える以前に、
 まずはせめて話を最後まで書き上げるくらいはしないと駄目か…。

 回を重ねるごとに短くなっている気がするけれど、気にしてはいけません。
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←文庫版があるらしいね。

 著者のHP「清水家のお茶の間ページ」
 http://www.asahi-net.or.jp/~JF7Y-SMZ/

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d3f54fa1.jpg 富士見ファンタジア文庫の作品にして、
 第17回ファンタジア大賞の佳作受賞作。
 著者は大楽絢太氏。イラストレーターは今野隼史氏。
 その名の通り七人の武器屋が活躍する作品だ。
 ちなみに一軒の武器屋に7人のオーナーという意味で、
 武器屋が7軒ではない(どうでもいいわ)。

 舞台は最強の生物ドラゴンが闊歩する世界。
 フランという街で奇跡の水「アモスの水」と偽って、
 水道水を売る詐欺を友人ジャンと共に働く少年。マーガス。
 物語は彼の一人称で進められる。

 内容は――ある日、いつものようにドラゴンキラー(竜退治の専門職)相手に
 水を売りつけた帰り道のことである。学校を卒業してからというもの、
 周りの友人達は次々と自分の道を見つけていくというのに、
 自分はこんな詐欺をしながらダラダラと過ごし続けていて良いのだろうか?
 自分の人生、これで大丈夫なのだろうか? と彼は思い悩んでいた。
 だが、やりたいことも目標も見つけることが出来ない。
 一体どうすればいいのか。そんなときにふと、あるチラシが彼の目に入る。
 それは武器屋新オーナー募集の貼り紙であった。
 『やりたいことが、見つからない。得意なことも、見つからない。
 夢中になること、もっとない。本当の自分がワカラナイ――。
 そんな悩める若人に、素敵な素敵なお話です』

 まさに、今の自分を指す言葉であった。
 心惹かれるようにマーガスはジャンを連れて、
 古ぼけた武器屋「エクス・ガリバー」に足を運ぶ。
 ――といった感じに話は始まる。

 この物語の一番の魅力は、
 おそらく読み手をガンガンと引き込んでいくノリとテンションの高さだろう。
 なんと言うべきか、ひたすらにやたらと熱い青春物語なのだ。
 正直、ところどころのパクリネタ
 (2巻登場のホリィ・ライブウィンドウや、4巻の舞台である天下一武器屋祭)や、
 設定の一部には突っ込みどころ満載なのだが、
 巻末の解説にもあるように「楽しい」というのは間違いない。
 実を言えば、自分は担当絵師である今野氏のファンであり、
 それ目当てで買ったようなものだったが、この作品はお薦めできる。
 読んだ後に、爽快で心躍るような心持ちになれるはずだ。

 現在は4巻まで刊行中。年末には5巻が出るだろう。
 著者曰く物語も佳境に入ったらしいが、全編通しての目的があるわけではない。
 (ある意味それぞれの未来を見つけることが最終到達点なのかもしれないが)
 よってどのようになるか予測は付かない。これからの展開が楽しみだ。

 絵師:今野隼史氏のHP 
http://www2.chokai.ne.jp/~frontier/index.html
 RPGツクールに関わるものなら知っているであろう、
 かの「アルファナッツ」のイラストレーターである。
 「ハッピーラッキーエントランス」という小説、イラスト、ゲーム。
 さらにはネットラジオも配信している恐るべき投稿コーナーが存在。
 少々分かりにくい場所にあるが、一見の価値あり。

0be2de2fjpeg という訳で、今まで読んだ本に関して紹介しようと思う。
 特に記念にはならんが、
 第一回目は「八王子のレッドツェッペリン」。


 しかしまぁ、この本は平成8年の一月に発売されたという
 10年以上前の作品だったりする。
 ちょっと調べてみたけれど、何かもう絶版状態のようだ。
 著者は木根尚登氏。TMネットワークの木根氏と言えば、多分分かると思う。

 主人公は高校を卒業したにもかかわらず、
 バンド活動を捨てきれないまま進学も就職もせずにダラダラと
 日常をけだるく過ごしている青年。美木康広。
 要は彼と仲間達がプロミュージシャンを目指していく話というものだが、
 若干テクニカルタームが多い。音楽にまったく関わらない人にとっては
 ちょっと首を捻ることがあるかもしれない。
 そもそもレッドツェッペリンを私は飛行船のツェッペリンだと思っていた。
 が、これは有名なロックバンドの名称だそうだ。他にもバンド名が多く出てくる。

 内容に関していえば、ちょっと最後の方が駆け足過ぎたように思う。
 それまでは淡々とした語り口調の進行で、
 これといって盛り上がりどころがあるわけでもなかったにもかかわらず、
 終わりに色々と盛り込みすぎてしまっている。
 倦怠感と中途半端さっぷりは妙にリアルに感じないでもなかったが、
 ラストはそれは無理がないか、と思わず突っ込みを入れてしまうくらいお粗末。
 まぁ感動的ではあるかもしれないけれど。
 あと、伏線のようなものが結構あったように思えるが、ろくに回収されていない。
 著者本人の体験を下敷きにした可能性を考えると、仕方が無いのかもしれんが。

 さて、少々けなしたが、文章としては割と読みやすいように思える。
 軽く読み流せる感じだ。自分としては同じような音楽小説である、
 直木賞受賞の「青春デンデケデケデケ」よりは親しみやすく感じた。
 ……まぁ、「青春デンデケデケデケ」を読んだのは5年位前だから、
 今では分からないけれど。
 今度読み返してみようと思う。こちらも駆け足だが以上!

 とにかくともかく、第一にまずはテストだ。
 忍者という単語にのみ惹かれて選んだんだが、このブログ。
 本の紹介とかやっていけたらいいな。

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