虚呂路
虚呂路
やたらと自己分析に耽っていた頃。
今にして思えば、あれは『分析』と同時に『構築』でもあり、きっとあれこそが己の酷く短い思春期だったのだと気付いた今日この頃。
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道場での指導を終えて、自身の稽古を始める前に柔軟をしていたところ、
武具の手入れをしていた師匠から、何故か私にお呼びが掛かった。
武具の手入れをしていた師匠から、何故か私にお呼びが掛かった。
師匠「○○(私の名前)、ちょっと来てくれるかー?」
自分「はい、なんでしょうか」
もしかして、お説教だろうか? と考えながら、師匠の元へと駆けていく。
その日の稽古では、私一人に指導内容を任されており、師匠は口出しをしなかった。
この一年間で、子供たちを指導すること自体には、随分慣れたと思うけれども、
自身の技量不足もあって、まだまだ良い見本にはなれていないという自覚がある。
(『五行の型』は、悪くない選択だったと思うんだけどな……指導法がダメだったか?)
(でも、個々の技量の精度向上は難しいが、『型を覚える』には有効だったはず……)
心当たりを脳裏に巡らせつつも、師匠の前に正座する。
師匠「○○、今日は任せっきりで悪かったな」
自分「いえ……指導に回ることも、自分の勉強になるので」
実際、園児や小学生相手の指導だからこそ、気付かされることは色々とある。
それはともかくとして、ダメだったところを迅速かつ率直に言って頂きたい。
冬場の稽古場は、とにかく凍て付くように冷え切っているのだ。
長時間に渡っての正座は、身体の芯まで冷たくなって稽古に支障をきたしてしまう。
師匠「ところで、今日の稽古なんだが」
よし、本題だ。やはり稽古の指導内容についての話らしい。
思い至ることは無いのだが、一体、何処が問題だったのだろうか。
私は頷いて、師匠の次の一言を待ち受ける。
その内容は――――、
師匠「……棒術は中止して、○○にモデルをして欲しいのだが」
自分「………………は?」
いや待て、待ってくれ、何の話ですか?
師匠「実は今度、鎧を着けての演舞を披露することになってな」
自分「はぁ、鎧っていうと……合戦で使う『具足』とかのことですよね?」
……自分が何を履き違えていたのか、状況を整理してみると。
私は『小学生の稽古』について話をするのだとばかり思っていたのだが……、
師匠は、これから行う予定である『我々の稽古』についてのお話をされているらしい。
そして、今日は本来なら六尺棒術の稽古をする筈であったところを中止として、
その代わりに、私にモデルをやれと申しておられるらしい……って、ちょっと待て!
最後がおかしい、おかしいだろっ! モデルって一体どういうことだ!?
まさか、また私に舞台に立てと言う気なんですか――――!?
師匠「□□さんや、△△さんに、やってもらうことになったのだが」
自分「(タ、タスカッター!……うん? でもそうなると『モデル』ってどういうことだ?)」
師匠「具足の着方がよく分かっていないみたいでな、教えなくちゃいけないんだ」
そもそも具足の着方を知っている人なんて、師匠以外に知りませんが
自分「ってことは、私が具足を着る過程を見せることで……」
師匠「身に着け方を覚えてもらおう、ということだ」
自分が着せられながら覚えようとするより、他人が着る過程を見るほうが分かりやすい。
そこで、私にモデル役としての白羽の矢が立ったらしい。
師匠「一番軽い鎧を持ってきたから、○○以外には着れないしな」
自分「(サラッとさりげなく、弟子の心を抉らないで頂きたいのですが……)」
そんなわけで門下生随一の小柄さを誇りつつ、『当世具足』なる甲冑を着てみた。
意外と軽くて動きやすいけれども、私より小さい人が愛用していた品のようで、
指に通した紐が突っ張ったり、色々と窮屈な感じがしないでもなかった。
あと陣羽織などが無いと、背中側は見栄えがかなり悪いらしい。

みっともないので、接近して撮った写真は無し。
しっかし、古武術をやっているとはいえ、まさか甲冑を着ることになろうとは……。
自分「はい、なんでしょうか」
もしかして、お説教だろうか? と考えながら、師匠の元へと駆けていく。
その日の稽古では、私一人に指導内容を任されており、師匠は口出しをしなかった。
この一年間で、子供たちを指導すること自体には、随分慣れたと思うけれども、
自身の技量不足もあって、まだまだ良い見本にはなれていないという自覚がある。
(『五行の型』は、悪くない選択だったと思うんだけどな……指導法がダメだったか?)
(でも、個々の技量の精度向上は難しいが、『型を覚える』には有効だったはず……)
心当たりを脳裏に巡らせつつも、師匠の前に正座する。
師匠「○○、今日は任せっきりで悪かったな」
自分「いえ……指導に回ることも、自分の勉強になるので」
実際、園児や小学生相手の指導だからこそ、気付かされることは色々とある。
それはともかくとして、ダメだったところを迅速かつ率直に言って頂きたい。
冬場の稽古場は、とにかく凍て付くように冷え切っているのだ。
長時間に渡っての正座は、身体の芯まで冷たくなって稽古に支障をきたしてしまう。
師匠「ところで、今日の稽古なんだが」
よし、本題だ。やはり稽古の指導内容についての話らしい。
思い至ることは無いのだが、一体、何処が問題だったのだろうか。
私は頷いて、師匠の次の一言を待ち受ける。
その内容は――――、
師匠「……棒術は中止して、○○にモデルをして欲しいのだが」
自分「………………は?」
いや待て、待ってくれ、何の話ですか?
師匠「実は今度、鎧を着けての演舞を披露することになってな」
自分「はぁ、鎧っていうと……合戦で使う『具足』とかのことですよね?」
……自分が何を履き違えていたのか、状況を整理してみると。
私は『小学生の稽古』について話をするのだとばかり思っていたのだが……、
師匠は、これから行う予定である『我々の稽古』についてのお話をされているらしい。
そして、今日は本来なら六尺棒術の稽古をする筈であったところを中止として、
その代わりに、私にモデルをやれと申しておられるらしい……って、ちょっと待て!
最後がおかしい、おかしいだろっ! モデルって一体どういうことだ!?
まさか、また私に舞台に立てと言う気なんですか――――!?
師匠「□□さんや、△△さんに、やってもらうことになったのだが」
自分「(タ、タスカッター!……うん? でもそうなると『モデル』ってどういうことだ?)」
師匠「具足の着方がよく分かっていないみたいでな、教えなくちゃいけないんだ」
そもそも具足の着方を知っている人なんて、師匠以外に知りませんが
自分「ってことは、私が具足を着る過程を見せることで……」
師匠「身に着け方を覚えてもらおう、ということだ」
自分が着せられながら覚えようとするより、他人が着る過程を見るほうが分かりやすい。
そこで、私にモデル役としての白羽の矢が立ったらしい。
師匠「一番軽い鎧を持ってきたから、○○以外には着れないしな」
自分「(サラッとさりげなく、弟子の心を抉らないで頂きたいのですが……)」
そんなわけで門下生随一の小柄さを誇りつつ、『当世具足』なる甲冑を着てみた。
意外と軽くて動きやすいけれども、私より小さい人が愛用していた品のようで、
指に通した紐が突っ張ったり、色々と窮屈な感じがしないでもなかった。
あと陣羽織などが無いと、背中側は見栄えがかなり悪いらしい。
みっともないので、接近して撮った写真は無し。
しっかし、古武術をやっているとはいえ、まさか甲冑を着ることになろうとは……。
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・サブカルチャー全般が好き
・王道は避け気味
・古武術歴17年だが激弱
・猫は正義
メール:
greed0106★yahoo.co.jp
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